破壊王  永遠に

橋本真也 死去


橋本が逝ってしまった。
右肩の手術をしてリングから遠ざかっていた橋本が逝った。
メシ食いながらTVを見ていて、天気予報の時に画面の上にいくつものニュースが
テロップとして流れいた中に、橋本が逝ってしまった事があった。
メシの途中だったけど、それを見てから俺の口に物が入ることは無かった。
何かの見間違いだろうと、そんなわけないと、自分が間違ってる事を確実にする為、
ネットで確認をしてみるも信じたくない事実が表示されていた。
新日をずっと見てきてるから正直言ってかなり凹んでる。
破壊王”のニックネームに相応しい、破壊力のある重たい蹴り。
流れを作るのにも、流れを変えるのにも使った袈裟斬りチョップ。
実況の辻アナウンサーが「五寸釘」と例えた垂直落下式DDT。
それらをもう見る事ができないと思うと・・・


小川直也と闘い、STOの連発に立ち上がれないほどのダメージを受けマットに沈んだ橋本。
TVを見てた俺は「橋本だらしねーぞ!立てよ!小川なんかにやられてんじゃねー!」
そう口に出して見ていた。
新日の代表として小川と闘い、圧倒的な攻撃力の前にマットに沈んだ橋本を罵倒した。
”暴走柔道王”となった小川に勝つ事無く共闘する事になった時、
橋本は完全なる負け犬になったと思った。コイツはもう終わってると。
そういうイメージを持ったまま、橋本が逝ってしまった事が凄く残念。
共闘していてもいつかケジメをつけるべく、破壊王は暴走柔道王にケンカを売ってくれると信じてた。
そして、そのタイマンで破壊王が勝ってくれることを願っていた。
でも、もうその願いはかなわない。


蝶野のデビュー20周年記念の時、新日と絶縁状態にある橋本は新日の会場にやってきた。
武藤・蝶野・橋本はかつて闘魂三銃士と呼ばれ、新日に一時代を築いた。
新日とは絶縁状態だけど、三銃士として花束を担いで橋本はやってきた。
リングの中に入らなかったのは、絶縁状態だったからというのもあるが、
俺がロープをくぐってこのリングに立つ時は闘う時という想いもあったんだろう。
花束を受け取り、去ってゆく橋本に対して蝶野はこんな事を言った。


「ありがとうブラザー。でも今日だけだ。
 兄弟は仲が悪いもんだからな。いつでもココでケンカしてやるぞ」


例え会社が絶縁状態でも関係ない。
俺達は俺達。いつかまた、俺達はヤらなきゃならない運命にある。
ただ、ヤるなら新日のリング。絶縁だのなんだの言ってるような奴等を嘲ってヤろうぜ。
そんな意味を持った蝶野からのメッセージを、橋本は何を想って背中で聞いていたんだろう。
そして、そんなメッセージを送った蝶野は、逝ってしまった橋本にどんな想いをもっているんだろう。


いつか、三銃士でイベントをやろうという話が出ていた。
若い世代の高い壁になって若手を潰そうと。
格闘技に押されるプロレス界をなんとかするため、団体の壁を超えようと。
でも、もう橋本はいない。
蝶野、武藤。お前らで橋本の追悼興行やってくれよ。マジで。
グダグダでもいい。蝶野と武藤が中心になった追悼興行ってのに意味があるんだ。
どんな形でもいい、2人が中心の興行を。



↑まではニュースを知った直後に書いたんだ。
色んなことを思い出しながらゆっくりと。
書き終えたのは20時過ぎくらい。
基本的に書いた後に読み返してみたりしないから、
まともに書いてあるのかもわからない。
今は深夜2時半。さっきまで、橋本の試合のビデオを見ていた。
やっぱりつえー。歴代IWGPチャンピオンで最強だ。
いくら強くても死は避けられないものであり、
人の死とはとっても悲しいものなんだなと改めて思った。




破壊王よ安らかに。
俺達は決して忘れない。
爆勝宣言、白いハチマキ、闘魂伝承、黒地に赤ラインのロングタイツ、
袈裟切りチョップ、地獄突き、重爆キック、水面蹴り、DDT、
ジャンピングDDT、垂直落下式DDT、三角締め・・・
橋本真也は間違いなく俺たちのHEROだった。



心よりご冥福をお祈りします。





P.S
長州小力には、ずっと橋本を探していて欲しい。
冗談でもなんでもなくて、マジでそう思う。